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わかるようでわからない、インタラクションデザイナーを3ヶ月かけて言語化したVol.1

こんにちは。アクセンチュア ソングでインタラクションデザイナーをしている吉尾です。
私たちは、サービス・プロダクトのタッチポイントとなるUI/UXデザイン領域において、戦略から実行まで、すべてのフェーズを横断する幅広い関わり方をしています。

その実現のために、プロジェクトワークだけではなく、定期的にインタラクションデザインのメンバーが集まって、興味のあるテーマを追求して学んだり、新しいテクノロジーを一緒に触ってみたり、日々の仕事の中で生まれた疑問について話し合ったりしています。

その中で出てきた疑問として、“アクセンチュア ソングのインタラクションデザイナー”って何者なの?どんな役割を果たしているの?というものがありました。
現在のインタラクションデザインのメンバーには、制作会社でWeb・UIのデザインをしていた人、事業会社でプロダクト系のデザインをしていた人、フリーランスとして活躍していた人など様々なバックグラウンドを持つ人がいます。
わたし自身も転職活動する中で、どういう職種なんだろう?と思ったことがありましたし、他のメンバーからも同様の意見があったため、自分たちの役割を言語化し、求められるスキルや成果物を可視化する活動を行いました。

今日はそこでまとめた内容についてご紹介します。この記事が、アクセンチュア ソングのインタラクションデザイナーについて、皆さんの理解を深める助けになれば嬉しいです。


活動の目的

この活動を通して目指したことは以下の3つです。

  1. メンバー内でもばらつきのあった自分たちの認識を揃えて、同じ視座を持ちたい

  2. アクセンチュア ソング内で「画面を作る人」と認識されることがあるので、自分たちの役割を広め、プロジェクトでよりよくワークしていきたい

  3. 新しいメンバーや興味を持ってくださる方に、アイデンティティを伝えたい

自分たちの理解のためだけではなく、興味を持ってくださる方のサポートもできるツールとなることを願ってまとめました。

活動を経て出来上がったもの

約3ヶ月かけてこの活動を行い、私たちらしさや役割を表現できているか、みんなで悩み抜きながら言葉を紡ぎ、
①役割を抽象的に表現したキャッチコピー
②役割・成果物を具体的に整理した5段階モデル
を作りました。

①キャッチコピー

まず、①キャッチコピーをご紹介します。
本来であれば、具体的な役割の説明で十分かと思いますが、インタラクションデザイナーの役割が多岐に渡りボリュームがあるため、端的に役割のイメージを持ってもらえるようにコピーとして表現しました。

私たちの役割は「添う、問う、編む、研ぐ」
それぞれの意味は、

  • まずは、お客様に寄り「添」い、課題を捉え、期待に応え、超えていく。

  • そして、人々の生活のあるべき未来を「問」う。既知への疑問、未知への好奇心を持ち、革新を目指していく。

  • そこから、ユーザーの望み、お客様の想い、現実の条件、制約を熟慮し、「編」み込み、アウトプットを作り上げる。

  • その後、プロダクトやサービスを磨き続け、人々のあらゆる体験を「研」ぎ澄ます。

これらを通し、私たちはデジタルプロダクトの力で人々の暮らしを変えていきます。このコピーは、私たちの日々の取り組みを本当によく表した言葉になっていると思います。

②5段階モデル

次に、②役割・成果物を具体的に整理した5段階モデルをご紹介します。こちらはJesse James Garrett氏のUXの5段階モデルをベースにまとめています。

ここでのインタラクションデザイナーらしいポイントとしては、5段階モデルに「デザインの外側」という6段階目の役割を追加している点です。
この部分は後編でご紹介しています。

1段目「戦略」

まずは1段目が「戦略」です。
プロジェクトでいうと初期段階、“企業のビジネスをどのように前進させるか”のビジョンを描くフェーズです。
ここでの私たちの役割は「あるべき未来を形にして、みんなのビジョンを1つにする」ことです。
例えば、思い描いた構想や戦略を、イメージを作ったりプロトタイプなどに起こしたりすることで、手触り感のある形で実感してもらいます。
考え抜かれた戦略に加え、それに伴う構想を可視化することで「共通認識を醸成するよう」働きかけ、デザイン面からも企業の「心」を動かしていきます。

それだけではなく、戦略を立てるには調査が必要になることもあります。
その際には、他の職種の方と協力して、企業の強みや、社会課題などから、どういう価値を提供していくべきかワークショップなどを行なってコンセプトを作り上げていくこともあります。

2段目「要件」

2段目が「要件」です。
戦略で描いたコンセプトを、”企業の先にいるユーザーどのように届けるか”を描くレイヤーです。
ここでの私たちの役割は「戦略(ビジョン)を実現するための、ストーリーを考える」ことです。ビジネス目線だけではなく、ユーザーの役に立つものにするため、より一層コンセプトを磨き上げていきます。
例えば、描いたビジョンをどのようにお客様が体験するのか、そこでどんな行動や感情を持つのかを、カスタマージャーニーとして表現し、必要な機能・コンテンツを決定するための議論の叩き台となるデザインを素早く作成します。
デザインをコミュニケーションの中心におき、プロトタイプやオンラインホワイトボードなども活用しながら、お客様だけではなく、開発メンバーなどとも議論を重ねてサービスの要件を一つひとつ固めていきます。

ここから続く、4つのレイヤーについては、後編でご紹介しています。

ふりかえって

今回は「戦略」「要件」のインタラクションデザイナーならではの関わり方についてご紹介しました。
メインでリードする領域ではないですが、プロジェクトの関係者全員が共通認識を持てるように、あるべき未来を素早く形にすること。それだけではなく、それを武器に関係者に働きかけて、文字通りインタラクション(相互の影響)をどんどん生み出してビジョンやストーリーの磨き上げに貢献することも重要なインタラクションデザイナーの役割だと感じています。

後編は特にインララクションデザイナーがリードしながら進めていくレイヤーになっています!ぜひ続けてご覧ください

戦略と要件レイヤーの話はこちらの記事でより詳しく説明しています。
ただ作るだけではなく、インタラクションデザイナーが設計図を描いてプロジェクトを推進していく姿勢や、その意図が詳しく書かれています。ぜひ合わせてご覧ください。

筆者プロフィール

吉尾萌実 - Yoshio Moemi
Interaction Designer
クリエイティブエージェンシーから、アクセンチュア ソングに参画。
金融業界の新規デジタルサービスに従事し、サービス構想から、リリース、グロースまで一気通貫で担当。現在は飲食業界において、体験構想からサービス設計を行っている。

Instagramアカウントでスタジオの様子をお届けしています。ぜひアカウントに遊びにきてください!: @song.design.japan

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