メーカーでも広告代理店でもない、アクセンチュア ソングという新しい選択肢
こんにちは。アクセンチュア ソング サービスデザイナーの金谷と杉山です。今回はアクセンチュア ソングで働く多様な仲間へのインタビュー企画として、デザイナーや大学講師など、社内外でマルチに活躍する坂巻さんについてご紹介します。
楽器メーカー、広告代理店を経て、現在はアクセンチュア ソングにてビジネス・テクノロジー・クリエイティブを横断しながら、社会に新たな価値を実装し続ける坂巻さんの信念や熱意とは?学生時代から現在に至るまでの歩みを辿りながら、未来への挑戦を語るインタビューをお届けします。
プロフィール
キャリアを紡ぐテクノロジーの存在
1. デザイナーとして多様な経験を積んできた坂巻さんが、更なる飛躍の場としてアクセンチュアソングを選んだ理由を教えてください。
自分で考えたものをテクノロジーを使って実装したり、テクノロジー起点で何かを発想したりして、新しいサービスやプロダクトを生み出すことに熱意があり、それが実現できると思ったことが一番の理由です。ここ数年の間に世に公開されてきたアクセンチュアの様々なプロジェクトを見ると、いわゆるBTCと言われる、「ビジネス・テクノロジー・クリエイティブ」のバランスがとてもいい印象があって、そのことが決め手になりました。
2. 「テクノロジー起点」というのが一つのキーワードのように思えますが、そこにはどんな背景や経緯があるのでしょうか。
ずっと「デザイン×テクノロジー」は大きなテーマでしたね。自分のキャリアを遡って話をすると、中学時代からプログラミングに触れ、高校生の頃からデザインに興味を持ち、デザイン系の大学へ進学しました。学部生のころはデザインに取り組んでいましたが、修士課程では改めてテクノロジーへの興味が高まり、ニューラルネットワークを使った化粧品のボトルのデザインを評価する研究をしていました。新卒で入った電子楽器メーカーでは、まさにテクノロジーを起点に新しい体験をどうデザインするかということを考えていましたね。楽器は体験そのものが目的であって、エクスペリエンスのためにテクノロジーをどう使うかを探究するのに最適でした。
3. その後、広告代理店を経てアクセンチュアに転職されたのはなぜですか。
電子楽器メーカーでの最後の3年間は企画室長として、全製品の企画を統括する立場だったのですが、幅広い業務を担当するうちにビジネスそのものに興味が移って、楽器以外のこともやりたくなったからです。
広告代理店で様々なお客様の仕事ができることは、とても楽しかったですし学ぶことが多かったです。でも、システムやアプリまで自分たちで作っていたわけではなかったので、スピード感や完成度の面で、納得いかないこともありました。
電子楽器メーカー時代にやっていたテクノロジーを起点に新しい体験を構想・実現することと、広告代理店のように様々なお客様のプロジェクトの仕事をすることが両立できる仕事はないだろうかと考えるようになり、アクセンチュアで働くことを選びました。
4. 実際に入社されて、アクセンチュア ソングの印象はどうですか?
とても良い印象ですよ。笑
ビジネス・テクノロジー・クリエイティブのスペシャリストが一つのチームとして活動しているのは稀有なことだなと思います。各自に明確な専門性があるからこそ、お互いを尊重することができ、フォローしあうことができているのは組織としてとても珍しいと思います。
もう一つ良いなと思うことは、アクセンチュア ソングのデザインチームでは「デザインリサーチ」というケイパビリティに力を入れていることです。デザインリサーチと呼ばれる機能を持っているデザイン組織はありますが、それらの多くは、プロダクトやサービスのユーザビリティを検証することに特化していることが多いと思います。発想の根本となる機会発見としてのデザインリサーチにここまで本気で取り組んでいる会社はなかなかないと思います。
アスタリスク型の個人と組織の未来
5. これからどんなスキルや考え方がデザイナーに求められると思いますか?
「I型人材」「H型人材」などアルファベットの文字の形をかたどって、その人材の専門性の深さや広さを表す用語がありますよね。その中でも「アスタリスク(*)型人材」がこれから重要なんじゃないかなと思っています。
アスタリスク型人材は、個人の中でさまざまな分野を横断し、それらを深堀できるタレントであるとされています。複数のことができるようになると、複数のことを抽象化したさらに一段上のものの見方ができるようになります。
例えば、デザインに精通している人がもう一つ二つ異なる領域で専門性を持つと、「デザインとその他の分野の共通点はこういうところにある」といったように、複数の領域を融合させたメタな視点もつことができます。そうやって大きな視点で物事を捉えられるようになることがデザインに限らず必要になると思いますね。
6. 改めて「デザインの力」と「クラフトの力」について、それぞれどのような考えをもっていますか?
デザイナーとは究極的には「線を引くのが上手い人」だと思っています。
2次元に線を引くのがグラフィックデザイナーであり、3次元に線を引くのがインダストリアルデザイナーや空間デザイナー、時間軸に線を引くのがインタラクションデザイナーやUXデザイナーです。この線を引く力を突き詰めると、概念に線を引くことができるようになり、これがデザインの力の本質だと考えています。
例えば、「新しい〇〇のデザイン」を考える際には、〇〇らしさと新しさの両立が求められます。〇〇らしさを求めれば新しさからは遠ざかりますし、新しさを求めれば〇〇らしさからは遠ざかる、矛盾した問いに答えなくてはなりません。〇〇らしさと新しさに適切な線を引いてこそ、新しい〇〇のデザインを産むことができます。
デザイナーは曖昧で矛盾している要件への答えを求められることが多いです。その過程で必要なのがクラフトの力だと考えています。クラフトとは、よく分からない課題に対して試行錯誤によって方法論と答えを出す力だと考えています。目の前に粘土を置かれて「何か良いものを作ってください」と頼まれ、粘土を引き伸ばしたり切ったりして何か良いものを作る。これをビジネス上の課題でも行うことができるのが、現代のデザイナーに求められるクラフトだと考えています。
7. 坂巻さんは大学講師としても活躍されていますが、デザインの仕事の傍らで、「教える仕事」に携わることの意義はどのように感じていらっしゃいますか?
19、20歳の学生たちを巨人の肩に乗せてあげることに大きな意義を感じています。私自身がこれまでのキャリアの中で学び、培ってきたことを早い段階から吸収してもらうことで、彼らの意識は大きく変わってくると思います。少し時間が過ぎてから、授業で出会った学生たちが私に嬉しい進路報告をしてくれることもあって、そういう出来事を本当に嬉しく思っていますね。
自分自身にとっても大きな学びがあります。人に何かを教えようとするときにこそ、自分が学んできたことに気が付くことができると思います。自分自身が何となく面白いとか良いなと思っていたことがあったとしても、それをちゃんと言葉としてまとめないと自分自身が認識することができません。また、言葉にして伝えると、学生たちも何か思ったことを言ってくれて、そういう往復で生まれる相互作用が、とても貴重で他では得難いものだと感じています。
自分の中で大きな意義を感じているので、教えることはずっと続けていきたいですね。
8. 本記事の読み手の方々に、アクセンチュア ソングという組織は一言で言うとどのような場所であると伝えたいですか?
月並みな言い方になってしまいますが、自分の能力や可能性を限定せず、何か新しいことを成し遂げたい、そしてそれを世に届けたいと思っている人にとっては最高な場所だと思います。
9. 「これから挑戦してみたいことは何か?」ときかれて一番最初に思い浮かぶことはなんですか?
様々な職能の人とコラボレーションをしたいと思っています。それは、ただ一緒に仕事をするということではなく、コラボレーションを通じて、デザインの次のステップとなるような新しいアプローチを生み出せるのではないかと考えています。
例えば、デザインとマーケティングは消費者を見るという点において似ていますが、その捉え方が異なっています。似て非なるものが混ざり合うことで、デザインともマーケティングとも異なるような新しい消費者の捉え方をする方法論が生まれる可能性があると感じています。デザインだけでなく多様な人材がいる会社だからこそ、今までになかったようなコラボレーションが生まれ、全く新しい方法論を作ることができたら面白いだろうなと思っています。
筆者プロフィール
過去のインタビュー記事
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