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「人を動かす頭の良いデザイン」を求め続けたキャリア人生でたどり着いた場所

こんにちは。高山です。アクセンチュア ソングのデザインチームでマネジング・ディレクター兼デザイン・リーダーシップ・エグゼクティブとして、チームをリードさせていただいている1人です。

私は長いことデザインを仕事にしています。長い年月の中で、デザインを取り巻くツール類も、テクノロジーも、トレンドも、市民権も変遷するのを経験してきました。変化がポジティブにはたらいたり、ネガティブにはたらいたり。

その度に様々なことを考えながらデザインに関わってきたわけですが、時代が移り変わっても、新人の頃から1つもブレない野望があります。それは、「人を動かす頭の良いデザインがしたい」ということです。それがどのようなデザインアウトプットを指すのか、自分がどう貢献できるのかははっきりとはわからず、デザイナーとしてどこに行きつくのか、どのようなキャリア形成ができるか、常に模索していたのが私のキャリアの変遷です。デザインといっても専門領域は広いので、一部でも誰かのデザイナーとしてのキャリアの参考になれば嬉しいです。

「人を動かす頭の良いデザインがしたい」のに、人に指示されるデザインをやっていた初期

私は親の賛同を得られず、美大を断念して総合大学を卒業したので、卒業後は流れで外資証券会社のリサーチャーになりました。でも美大への願望を捨てられず3年で退職。お金もないので専門学校に通い、グラフィックデザインとウェブデザインを学びました。当時のウェブは現在のマーケティングを目的としたメディアではなく、クリエイティブを表現するメディアそのものだったため、紙とデジタル両方でクリエイティブを学ぶための選択でした。

卒業後、未経験者NGのデザイン会社に卒業制作を手に気合いで応募。運良くウェブデザイナーとしてデザインのキャリアが始まりました。本来は未経験者をNGとしているレベルの会社なわけですから、クラフトの質が低すぎて外部のディレクターにもお客様にも怒鳴られたのが最初の仕事でした。本当に悔しくて辛いわけですが、グラフィックデザイナー、コピーライター、ウェブデザイナー、イラストレーター、フォトグラファーが在籍している会社だったので、何よりも実践でデザインを学びとることを目標に掲げ、ゴールを目指しました。美大を出ていないという勝手なコンプレックスからの意地もありました。

プロモーション系、EC系、サービス系のウェブサイトデザインを担当しましたが、グラフィック系から情報設計系と幅広いデザインスキルや、様々なデザイナーが一丸となって1つのクリエイティブを作り上げる環境のおかげで、デザインの専門性、互いへのリスペクト、共創の力を学ぶことができたのは、今もデザインのベースになっています。LPやパーツではなく、サイト全体をデザインする業務だったことに加え、様々なデザインジャンルに触れるため、広く学べたことはデザイナーとしての最初の出だしとして正解だったと思います。

1つ問題は、この会社が下請けだったこと。私のようなデザイナーは、お客様に会うこともなく、外部のディレクターの企画を受け取り、そこからデザインに落とします。しばらくすると気づくんですね。

「デザイナーが企画から入った方が、もっとビジネス効果を生み出すものが作れるのでは?」本来はお客様の要望の本質がわからないとデザインしきれないと思ったため、ビジネス側にデザイナーが向き合ってデザインできる環境を探すことにしました。

時代の流れを感じながら、デザイナーとしての成長時期

選んだ先は、デジタルサービスを事業の生業とする事業会社で、サイトだけでなく、サービスそのものをデザインできるポジション。サービスなので、ユーザー側もオペレーション側もデータの扱いも、全てです。前職からの進化は、デザインメンバーだけではなく、営業、ビジネス、エンジニアとワンチームになり、経営者である社長の要望も直接聞くことができる環境が与えられたことです。

ここでは、事業戦略を汲み取りながら、サービスをデザインすることを学びました。自分がデザインしたサービスと、それを具現化するデジタルプロダクトのデザインがビジネスの数字に直結するのを目の当たりにし、デザイナーとして責任の範囲が広がるとともに、自分が効果を生み出せることに喜びを感じました。時代の流れで、ウェブデザイナーと呼ばれる人々が多く世に出てくる中で、ビジネスを理解でき、事業にインパクトをもたらす越境型のデザイナーになるということが、自分がその時正解だと思った道でした。

数年経つと、ビジネス戦略の上流からデザイナーが入らないことで、サービスやビジネスのデザインが失敗することも経験します。経営や事業のもっと上流から入って「人を動かす頭の良いデザインがしたい」と思うようになりました。数字はユーザーに一番近いプロダクトの責任にもされがちなので、デザイナーとして不甲斐なさを感じます。そこで、次の道を探し始めました。

次の事業会社では、デザイナー出身ですが、新規サービス開発を担う部署の課長として、サービス全体を見る責任を持つことになります。サービスデザイン、ブランドディレクター、デザインディレクターとして広い領域を担います。前職との違いは、経営にさらに近くなったことで、新規サービスのブランド戦略の領域や、事業計画や収支バランスといった、ビジネス上の数字にまで責任を持つことです。デザイナーとしては不得領域ではあるので、最初は苦労しました。

昨今は“デザイン経営”という言葉もありますが、おかげで、プロダクト全体をビジネスとデザインの両軸で俯瞰しながらデザインしていく知識や、経営の思考、経営とのデザインコミュニケーションやストーリーテリングの技も学ぶことができました。

遠回りしてやっとたどり着いた先にあった「人を動かす頭の良いデザイン」

そしてアクセンチュアとの出会いが訪れます。たまたまエージェントに声をかけられ、話を軽く聞きに行ったのが始まりでした。コンサルティングファームでデザインすることがピンと来ませんでしたが、話を聞いているうちに、下請けやインハウスとは異なり、デザインの専門家としてお客様から信頼され、デザインに集中して力を発揮できる立場でいられることに魅力を感じました。

最初はCXデザイナーという広い名称で、マネジャーのポジションで入りました。経営に近いところでのサービスデザインや、デジタルプロダクトのデザインはもちろん、デザイナーの思考法を取り入れたイノベーティブ組織への変革など、今まで経験したことのないデザインの仕事をやらせて頂きました。デザインの領域の広さに驚きました。

もちろん一人でやるのではなく、深い知識とスキルを持った様々な領域のデザイナーに加え、ビジネスの専門家であるコンサルタント、テクノロジーの専門家、システムの専門家、業界の専門家などと一緒にお仕事をするため、これまで経験してきたデザインよりも難易度も質も高いデザインの仕事が実現できてしまうわけです。そして自分たちがデザインしたものが実際に世の中に出ていき、多くの人々に触れられるようなお仕事です。

デザインの力で本気でビジネス変革や社会変革をおこす。デザインの社会への意義を実感できる。こうして多岐にわたるデザインの経験をアクセンチュアで積みながらマネジャーからシニア・マネジャー、そして最終的にマネジング・ディレクターになりました。

コーヒーなど飲んでいる時に、自分のキャリアを思い返しながら、ふと思うことがあるんですよね。「これが私が目指していた人を動かす頭の良いデザインなのかもしれない」と。随分と遠回りをしてたどり着きました。

シニアになるほど、経営の上層部とともにお仕事させていただく機会が増えますし、私が苦労して模索してきたような遠回りをせず、メンバーがそれぞれの目指すデザインでキャリアを踏んで進み、時代の変化に対応できるデザイナーに成長していくことができる環境を作ることなど、領域や思いが広がりました。

結局、アクセンチュアが私のデザイナーキャリアで一番長く在籍している場所です。理由は2つあります。

1つは、年数とともにチャレンジすべきデザイン領域が広がっていくこと。例えばマネジャーの頃は、サービスを生み出すためにリサーチをしてワークショップをして、お客様とともにアイディアを創造し、具体化していくことの品質に徹底的にこだわりました。

シニア・ネジャーになると、最高品質のプロジェクトを推進することに加えて、どうしたらさらなる価値をお客様にデザインの視点で届けることができるのかを考えます。先に書いたような高品質なデザインを世に送り出すだけではなく、例えば、お客様の組織そのものが徹底した顧客視点に立ち、経営にデザインを取り入れる組織になるよう、デザイナーとして経営のご支援をさせていただく領域に発展させる、といった具合です。

GenAIが世の中を変えると言われる時代に、この技術を体験設計の中に取り入れつつ、技術が与える楽さと、倫理的に人間が楽になりすぎない程よい安全の地の余白を作り出すサービス設計を模索するなど、技術の進化と共にデザインもどう進化させていくと良いのかを今は考えています。

そしてもう1つは、世界中に在籍するデザイナー仲間たちとも知見を交わせながら、時代の変化に伴うデザイナーとしての進化を先立って考え、変化していくことができるのも理由かなと思います。アクセンチュアにはデザイナーがグローバル規模で在籍しています。自分が進めているプロジェクトに、グローバルの知見が欲しいだとか、日本とは異なるアプローチや実績、先端の取り組みなどを知りたい時は、グローバルのメンバーにコンタクトをとることがあります。逆も然りです。互いに学びながら、お客様に最高のデザインを届けています。

今行き着いた場所がゴールだとも思っていません。自分が目指す軸は変わらないですが、デザイナーに求められることはこれからも少しずつ変わっていくでしょう。私はリーダシップという立場ですが、日々成長を怠らないメンバーの皆さんからの学びはとても多く、幾つになっても、どのポジションになっても学びをもらえる環境はありがたいと思っています。

これからもみんなと一緒に面白いデザイン体験をさせてもらいたいと思っています。

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